世界全体の生産量は2008年で約6.9GWp/年です。これは2008年に比べて86%の伸びであり、それまでの年4~6割程度の伸び率と比較しても倍近い伸び率です。
2008年の市場の急速な伸びはスペインの市場の計画外の急拡大によるところが大きく、2009年はその反動と金融危機によって縮小したのち、2011年頃から再び拡大すると予想されています。
市場規模は2020年には10兆円以上、2030年には約2000億ユーロ(約30兆円)に達すると予測されています。
年間導入量では2008年分でスペインが2511MWp(2.5GWp)を導入して1位、ドイツが1500MWp(1.5GWp)を導入して2位になっています。日本は230MWpであり、前年の3位から6位に転落したと推定されています。
2008年の世界市場での太陽電池セル製造メーカー上位各社のシェアはドイツのQセルズ社が前年に引き続き1位、欧米のFirstSolarが2位、中国のSuntechが3位です。
日本のシャープは4位に後退し、また国別生産シェアは中国が26%を生産して1位、2位はドイツです。日本はドイツに抜かれ、3位に後退しています。
近年、太陽光発電の普及率は世界で見るとドイツが急成長しています。
そこで、ドイツのでの太陽光発電の普及状況を少し解説していきたいと思います。
ドイツの再生可能エネルギーの、国内全エネルギー消費に占める割合は、2007年には8.6%に達しています。
特に電力に占める再生可能エネルギーの割合は、2007年には14.2%と、伸びが著しく、これは、EEG(再生可能エネルギー法)で電力買い取り価格が手厚く保証されている為です。
太陽光発電に関しては、発電能力・発電量とも特に急激に伸びており、ドイツは現在世界1位の太陽光発電大国となっています。
太陽電池の生産も、欧州域内の旺盛な需要を背景として、年率50%のペースで伸びています。
ドイツは日射量が少なく、必ずしも発電条件には恵まれておらず、全ての一般住宅の屋根が太陽光発電に適しているわけではありません。…にもかかわらず、今後もドイツ国内の太陽光発電が伸びると予測されるのは、大型太陽光発電(工場の屋根、スポーツ施設の屋根など)の開発が見込めることによります。
観光都市ハイデルベルクで稼働しているソーラーボートでは、1日6回の遊覧航行の電力のうち、70%分を太陽電池による発電で賄っています。
日本だと太陽光発電の普及率は、日照条件により「西高東低」となっているそうですが、ドイツの事例を見ると、日本国内の北国でも、太陽光発電を普及する余地は十分に大きいのではないのでしょうか。
ドイツ、スペイン、アメリカに普及率で送れをとってしまっている日本ですが、ついに日本も固定価格買取制度を2010年にも導入されます
2009年から太陽光発電の補助金制度が復活していますが、ドイツやスペインのように爆発的に普及はしていません。
これは、補助金だけでは初期投資費用の回収期間が20~30年程かかるため、太陽光発電導入者にあまりメリットがないためだと考えられます。
補助金制度だけでは、太陽光発電の普及率を上げる事が難しいと考えた日本政府は、京都議定書の目標達成、雇用を生み出すグリーン・ニューディール政策といった事もふまえ、発電した電気を2倍で買い取る買取制度の導入に踏み切っています。